佃さんの折敷でお昼ごはんをいただきました。
佃さんとの対談には、佃さんが懇意にしておられる京都嵐山の割烹「おきな」さんのお座敷をお借りしました。お店の二階にあるお座敷は、茶室のような空間で、床の間には古いお寺の雲肘木が飾られ、さりげなく野の花が活けられていました。こちらのお店は、佃さんの折敷を使っています。その折敷の上に乗せられているのは、佃さんが美味しいですよとすすめてくださった穴子まぶし。香ばしく炙った穴子をざくざく切って海苔と一緒にごはんにまぶした一品。味よし、うつわよし、折敷よし、空間よし、ロケーションよし。おしゃべりもはずみました。
女将さんがご挨拶に来られ、壁にかけられた翁の面が店のお名前の由来ですか、とお尋ねすると、祇王寺の庵主さまが、いつまでも仲睦まじいおきなとおうなのようにと名づけてくださったと教えてくれました。祇王寺の庵主さまという方は、智照尼とおっしゃって、瀬戸内寂聴の『女徳』のモデルになった方だそうです。波乱万丈の人生を送ったという庵主さまのお話を聞いているうちに、その本が無性に読みたくなりました(今月の読書会でいずれ)。
それにしても、穴子の美味しかったこと。また、機会をつくって、今度は夜にお邪魔したいなと思いました。
◎写真/中村泰
◎京料理「おきな」
京都市右京区嵯峨釈迦堂大門町11
075-861-0604
営業時間:11:30〜14:00/17:00~20:00
定休日 :水曜(祝日の場合は翌日)