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私は猫を友達としている。
「猫婆」の様に猫がいなければ行きていられないと言う訳ではない、又贅沢な猫でなければいけないと言うのでもなく、捨て猫でも泥棒猫でも,拾い上げて飼うのである。もっとお、フランスでは滅多に捨て猫はいないが、それでも年に1回や2回は迷って来るので、そんなのを飼ってやるのである。(中略)
猫を友達にする訳は、猫は野獣性と家畜性との二つの性質を持っているので、そこが面白いと思うのである。ライオンの仔や虎の仔は、初めのうちこそ家に置いてもよいだろうが、大きくなるとこれは始末に困るに相違ない。
猫に猛獣の面影がある所がよいのである。私はよく猫を描く。画室にいる時モデルがないと猫を描くのである。サイン代りに猫を描くこともある。
cipf-es.org 8pt;”>『地を泳ぐ』1942年
藤田画伯といえば、猫。裸婦と猫という組み合わせ、肩に猫を載せているあの有名な自画像、少女と猫、猫十態シリーズなど、作品には必ずと言っていいほど猫が登場します。手法も、油彩、水彩、リトグラフ、エッチング、コロタイプ、ドライポイントととても多彩で、どの猫も生き生きとしていて、猫が好きということが伝わってきます。実際にたくさんの猫を飼い、愛情を注ぎ、かたわらには常に猫がいた。藤田画伯の猫への眼差しや優しい気持ちが絵の中から伝わってきて、思わず柔らかそうな毛を撫でてみる。この本を眺めるのはそんな幸せな時間です。
藤田嗣治画文集 『猫の本』
講談社 本体3,000円+税