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『白鵬、5歳。8キロ』


 

「この子可愛いでしょう、黒田さんどうかなぁ~」

金曜日のゴゴスマでご一緒しているジャーナリストの山路さんから見せられた写真には、ぽっちゃりした白猫が写っていました。山路さんは「おーあみ避難所」の方々と動物の保護活動をしていて、ご自身も福島からの保護猫ちゃんと生活しています。

 

 

こんなに可愛い子だから、すぐ里親決まるだろうな・・・というのが最初の印象。でもなかなか決まらず、ならばとしばらくしてから、大網さんの所に私も行ってみることにしました。そこにはたくさんの猫達がいました。負傷している子、まだ怖がっている子、すりすりして甘えてくる子、そしてその中に白鵬くんもいました。

 

 

白鵬くんは、かなりご年配のご夫婦に可愛がられていたけれど、おばあちゃんが先に亡くなり、おじいちゃんも施設に入り一人取り残された子だそうです。なんだか寂しそうな目をしていて、山路さんに黒田さんどお?なんて薦められたのも何かの縁と思い、私でよければ、そしてうちのごまむぎと上手くいくならとトライアルの約束をして帰ってきました。

 

その時、白鵬くんは風邪をひいていたので治り次第と話していたのですが、体調はなかなか良くならず、それどころかご飯も食べなくなり、病院の診断も良いものではなく、どんどん弱っていってしまったのです。私は元気になってうちに来てくれる・・・と信じていたのですが、大網さんたちの看病の甲斐もなく、彼は信じられないくらいあっけなく天国に行ってしまいました。後からわかったことなのですが、おじいさんが施設に入った後、ご飯をあげる人はいたそうですが、でも3ヶ月ほど一人で家にいたそうです。どんなに寂しくストレスを感じたかと思うと不憫でなりません。

 

私は白鵬くんがうちに来るかも!ということをとても楽しみにしていたらしく、いろんな所で話をしていたようで、後から「猫ちゃんきた~?」とあっちこっちで聞かれました。実はね・・・という話をするたび、切なくて胸が苦しくなります。

 

 

元の飼い主の方を責めるつもりはまったくありません。きっと白鳳くんは老父婦のアイドルだったに違いありません。ペットと言われる動物と生活をすることはとても楽しくて幸せなことです。どれだけ心を和ませてくれることか。でもそれと同じだけ責任と義務があるということを,この出来事は自分に問いただす機会になりました。そしてもっともっとかわいそうな子もいる・・・そう、この問題、考え出すときりがないのです。保護活動をするということは精神的にも肉体的にも大変で、私はただただ活動されている方たちの行動力に頭を下げることしかできません。

 

今回、白鵬くんは残念なことにうちに来ることはできませんでした。

でもまた縁があればそんな猫ちゃんを迎えられたらと思っています。

 

インスタやこのchiko.plusで白鵬くんがうちに来たら紹介したいなと思って楽しみにしていたのですが叶わず、でもやはり可愛い在りし日の白鵬くんを見せたくて書くことにしました。

 

保護猫や保護犬のことを、ちょっとでも想ってもらえたらな・・・と思います。